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パーツモデルさん真っ青のAKB江口愛美さんのCGは放送法に違反するのか?

Posted : 2011/06/24

  アクティブイノベーションウエスト代表弁護士の木下です。

   グリコのアイスの実のCMに登場するAKB48の新メンバー江口愛美さんが実在しなかったことが話題になっていますね。AKBのメンバーのパーツを集めた合成による美少女だったために、かなり落胆されたファンもいましたが、早くからCGであることを予想し、パーツ分析で盛り上がるファンも多かったようです。AKBのことには疎い私でも、その話題を何度も目にするほどですから、改めてAKBの旬な勢いを感じました。
   さて、賛否両論はあれど、これだけ露出効果があった以上、今回もAKB商法と呼ばれる、その斬新な商売方法が当たったことは認めざるを得ません。AKB商法に興味のある方は、相川弁護士による当ブログを参照していただくとして(「推しへの思い」「AKB総選挙に問題はあるか」)、私は、ある識者がツイッターにおいて、江口愛美は放送法違反の疑いがあるとコメントしたことを取り上げたいと思います。このコメントに対して、江口愛美擁護派からも、「放送法なんて関係ない。大体、放送法違反というなら、江口愛美を逮捕するのですか?和尚様、江口愛美を捕まえますから、画面から追い出して下さいとでも言うのですか?」と、一休さんのトンチになぞらえた挑発的な反論があり、議論は更にヒートアップしています。
   そこで、実際のところはどうなんだろうと考えて、私も放送法を確認してみました。具体的に放送法のどこに抵触する可能性があると指摘されたのかがよく分かりませんでしたが、私が確認した範囲では、江口愛美さんのCGが放送法違反になるような規定は見つかりませんでした。
   そもそも放送法は、放送を伝達する側の高度な自律性及び表現の自由と、それに伴う重い責任の自覚を促すことを主たる目的とする法律です(放送法第1条)。したがって、真実でない事項の放送をしたときの訂正放送の義務(放送法第4条)や、放送後も様々な検証を可能にするために、一定期間放送番組を保存する義務(放送法第5条)などのいくつかの具体的な行為規範はあるものの、公共性、中立性、正確性に関する抽象理念的な規定も多いです。そのため、これらの理念に違反すると考える方はいるでしょうが、個人的には違反というには難しいように思いました。
   ただ、あくまでこれは放送法違反か否かのレベルの話であって、CMに関する放送倫理のようなものには反するのかもしれないし、そもそも「会いに行けるアイドル」の看板に偽りありとして、江口愛美が実在し、会いに行けると信じたからCDを購入したというファンからは、詐欺呼ばわりのクレームがあるのかもしれませんが、かなり挑戦的な広告ですから、AKB側やグリコ側もこの辺はある程度覚悟されていたと思います。

   むしろ私個人的には、江口愛美さん関連のCM出演料や今後のキャラクター商品の売上などについて、各パーツを提供したメンバーに対して、どのように権利が帰属するのかの方に大変興味があります。
   私は、以前パーツモデルさんの契約内容に関するご相談を受けたことがあります。パーツモデルとは、目、口、髪、手、指、足など身体の一部だけのモデルさんのことで、手だけのモデルさんを「手タレ」、足だけのモデルさんを「足タレ」などと呼びます。例えば、飲食物やハンドクリームなど化粧品関係のCM又は雑誌において、手だけがアップされた画像が登場することがよくありますが、これらはほぼ「手タレ」さんの出演によるものです。身体の特定のパーツだけでテレビや雑誌に登場するわけですから、パーツモデルさんは皆さん、そのパーツの形が特に美しいと認められたプロフェッショナルで、全身のモデルさんよりは安いですが、契約内容に基づいてきちんと一回数万円単位のモデル料が発生します。AKBの江口愛美さんは、プロのパーツモデルさんもびっくりの見事なパーツの結集でしたが、その権利帰属となると、基本的にはパーツモデルさん同様、契約で決めることになるでしょう。そうなると、現実的にはAKBとして一括してマネジメントされていると思うので問題はないはずですが、各メンバーの自慢のパーツを結集して究極の女の子を誕生させたわけですから、それぞれのパーツに対する各人のこだわりも強そうで、話がこじれたりしないのかなと、少し心配になってしまいます。視聴者からのアンケート結果などで、このパーツがいいから江口愛美は美しいんだと、江口愛美人気の貢献度に差が出始めたり、それこそ今であれば、総選挙の結果を反映させたりして、将来的に江口愛美さんのパーツを提供した各メンバーの権利関係に変動が生じ、江口愛美関連のギャラも変わってくる可能性がないとは言えないでしょう。

   いずれにしても、AKBとは無縁だろうと思っていた私が、このようなことを気にしている時点で、私も既にAKB商法に巻き込まれている気がします。本当にすごい社会現象になって来ましたが、AKBには、不景気や大震災で元気がない日本をどんどん引っ張って、頑張って欲しいと思います。




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