全国発リーガルジャパン弁護士ブログ

弁護士の得意分野の作り方

Posted : 2014/10/21

 週末、自宅の書棚を整理していたら、弁護士になった頃に購入した、不動産関係の専門書がたくさん出てきました。
 不動産取引の流や地形や規模ごとの不動産の具体的な評価方法など、法律の理屈の解説ではなく、かなり実務的な情報の書籍ばかりで、当時の私が司法試験の合格に必要な法律解釈などはさておき、特定の専門分野において、早く実務家としての知識を身に付けたいと考えていたことを思い出しました。

 この点、弁護士をしていると、初対面の方から、「ご専門は何ですか?」という質問を受けることがあります。
 私が以前、英会話のNOVAに通学していたときは、フリートークで私の職業が弁護士だと分かると、欧米の講師からは、ほぼ100パーセント、この質問を受けました。
 しかし、日本の弁護士は欧米の弁護士ほど専門を謳っている人は少なくて、大半は何でも扱います、というスタンスの方が多いと思います。
 これは、日本の弁護士の広告規制とも関係があり、誇大な広告にならないように、専門分野の宣伝を制約していることにも一因があると思うのですが(弁護士として関心を持っている分野などの表記は可)、顧客からすると、自分が抱えている悩みに強い弁護士に相談したいと思うことは当然ですから、これからは日本の弁護士も、広告規制を遵守した範囲で、得意分野などの特徴を伝える場面が増えてくるように感じます。

 皆さんは、そのような弁護士としての専門分野や得意分野は、どのようにして開拓されていくと思いますか?
 中には弁護士になる前から明確な目的を持っている方もいて、私の知り合いにも、特許などの知的財産を扱いたいために、最初から、そのような専門分野に力を入れている事務所を選んで就職した弁護士がいますが、大半の方は、まずは偏りなく仕事を扱って、どんなトラブルにも対応できる弁護士を目指すことが多いと思います。
 そして、そのような日々の仕事を通じて、たまたま深く調べたり、掘り下げて勉強していく中で、自然と得意分野を磨いていくことが多いですから、得意分野の開拓は扱う事件の運に左右されるところはあると思います。
 例えば、私の場合、勤務した事務所で国立病院の代理人の仕事を経験させていただいたので、医療過誤事件に詳しくなり、その後頻繁にご依頼を受けるようになりました。
 また、当時損害保険の交通事故や破産管財事件の手伝いも数多くしていたので、自然に損害賠償の事故系全般や破産事件の全般の仕事が得意になりました。
 このように、私は、勤務した法律事務所が幅広い仕事を扱っていたので幸運でしたが、時には能動的に、かつ意図的に得意分野の開拓に取り組む弁護士もいます。

 私の司法修習先の所長弁護士もそのような弁護士の一人で、若い頃、意図的に重点的に借地借家法の研鑽を積んだそうです。
 戦後復興の中で、今後は借地借家の権利関係のトラブルが急増すると考えて、日々専門性を磨いたとお話されていましたが、そのお陰で、かなりの仕事の依頼を受けたと伺いました。
 私も、当時自分では取引したこともなかった不動産の法律関係に興味があったので、弁護士になってから、最初の数年間は、休日などに時間をかけて、少しずつ勉強しました。そのときの教材が冒頭お話した書籍というわけです。

 弁護士の仕事は勉強したからすぐに役立つわけではないですが、私は、多数の破産管財人を務めているときに、不動産会社の方々と面談する機会が多くなり、その雑談から、不動産に強いという印象をもってもらったらしく、その後の仕事に繋がりました。
 法律は改正されていくものですから、我々弁護士は日々の研鑽を怠れないですが、そのような最低限度のフォローアップだけでなく、興味のある分野の上積み的な研鑽を図る余裕は持っていたいと思います。




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