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「それでもなお」という言葉が、弁護士も磨き上げてくれる【働く君に贈る25の言葉】

Posted : 2011/04/22

  アクティブイノベーションウエスト代表弁護士の木下です。

 世の中には多数の啓蒙的なビジネス書がありますが、私は余り読まない方です。しかし、最近読んだベストセラー「働く君に贈る25の言葉」という書籍は、とても素晴らしかったです。充実した仕事ができる人間になれるためのアドバイスが、珠玉の言葉で紡がれています。
  『事の軽重を知る。それが、タイムマネジメントの本質だ。』、『信頼こそ最大の援軍。』、『強くなければ仕事はできない。優しくなければ幸せにはなれない。』、『プアなイノベーションより、優れたイミテーションを。』…いずれも書籍の中の項目のタイトルですが、どれも印象深い内容ばかりでした。
 私は、弁護士であると同時に経営者でもありますから、我々の法人のスタッフにも是非一度読んで欲しいと思っています。

 さて、その中でも、弁護士としてより印象深い内容がありました。『「それでもなお」という言葉が、君を磨き上げてくれる。』というタイトルのアドバイスで、大変な共感を覚えました。「それでもなお」という思いを持つことが大切な場面がいくつか挙げられているのですが、「人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。それでもなお、人を助けなさい。」という言葉は特に胸に響きました。
 弁護士という職業上当然ですが、我々の依頼者は何らかのトラブルの中にいて、常に問題を抱えています。とても怒っていたり、とても興奮していて冷静さを失っている人も少なくありません。そういう人たちときちんと話し合って、納得できる解決に導くことが我々の仕事です。簡単なことではありません。結果が大切なことは勿論ですが、人の心が絡みますから、それ以上にプロセスが大切になるときがあります。裁判に勝っても弁護士の仕事ぶりに不満を持つ依頼者はいるし、裁判に負けても弁護士の仕事ぶりに納得してくれる依頼者がいることが、そのことを如実に示しています。我々はこのことを十分理解していますから、依頼者とのコミュニケーションを大切にして仕事をしています。しかし、それ程気をつけていても、残念ながら依頼者の気持ちを成仏させてあげられないことがあるのも事実です。
 先日、裁判上の和解で終了した事件がありました。高額の保証金を預かった地主が土地を貸していたのですが、賃貸借の終了時になって、借主の使い方が悪いなどとして、保証金の返金を渋っている紛争でした。訴えられた地主は、保証金の一部を返金することで地裁で和解しましたが、突然その和解が気に入らないと言い出して控訴し、我々が高裁から代理人となりました。一度裁判所で成立した和解を争われるのですから、相手方の借主もカンカンに怒っていて、譲歩の余地はないと言われましたが、粘り強く交渉し、高裁の裁判官の尽力もあって、更に返金額を減額して再和解が成立しました。とても地主に有利な和解でしたが、一度和解を破棄してる人なので、和解期日を含む全裁判期日に同行してもらい、コミュニケーションを図り、裁判官とも直接協議してもらって、今度こそ納得の解決のはずでした。しかし…裁判が終わってから、この依頼者は裁判官に押し付けられた和解は本意ではなかったと再び言い出されたのです。さすがに、今回は和解の破棄まではしなかったものの、我々も後味がよいものではありませんでした。

 こんなケースは稀ですが、前述のとおり、怒りで冷静さを失っている人もいますから、我々の業界ではどこまで心を砕いても、思わぬ攻撃を受けてしまうことは起こり得るように思います。そうすると、我々も血の通った人間なので、ここまで尽力したのに、ここまでいい条件を引き出したのに、ここまでコミュニケーションにも気を配っていたのに…という釈然としない思いが湧き、さすがにモチベーションが下がってしまうときもあるのです。…でも、だからこそ、「それでもなお、人を助けなさい。」というアドバイスには、「はっ」とさせられるものがあります。だって、我々は弁護士ですから。時々見失いそうになる信念を、そっと優しく思い出させてくれる名言は貴重ですよね。辛いとき、くじけそうなときには、「それでもなお」の気持ちを思い出して頑張ります。




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