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民事事件の相談を受けていて思うこと

Posted : 2012/10/26

札幌の浦本です。

最近,相談を受けていて思うこと。

「確かに,裁判等をすれば勝てそうな気がする。でも,請求金額がそれほど大きくなく,弁護士等に依頼すると費用の面であまり意味がないかもしれない。」といった内容の相談が相当数ある。

このような理由で,依頼を受けづらいというのはとても心苦しい。
費用の問題で泣き寝入りをしなければならないというような事態は,好ましくないように思われる。

現在,司法へのアクセスを容易にしていこう,という方向性にはあまり異論はないように思われる。
ただ,司法へのアクセスを容易にするということの意味には,
法律相談等を受けやすくする体制を整えていくのみならず,法律相談を受けた後の裁判所利用の容易化までが含まれていると思う。

裁判をする場合は,弁護士費用や証拠収集などの費用や労力が必要になるのが通常であり,少なくとも費用の面で,もっと裁判所を利用しやすくしたほうがいいんじゃないかなぁ,と思う(弁護士が半分ボランティアのような費用で事件を受任することもあるが限界がある)。

日本の不法行為の損害賠償については,
「不法行為がなかったときの状態に回復させること(損害の填補)を目的とするもので,加害者に対する制裁や将来における同様の行為の抑止を目的とするものではない。加害者に対する制裁や将来における同様の行為の抑止は,刑事上又は行政上の制裁に委ねられている。」といったように考えられているようである。
それゆえ,加害者に制裁を加え,かつ,将来における同様の行為を抑止しようとすることをも目的とする懲罰的損害賠償のような制度は,日本では採用しにくいと考えられてきたようである。

しかし,行政による規制権限の行使が不十分であったり,刑事罰についても制裁や抑止以外の事柄も考慮されるのであり,刑事罰によって制裁や抑止が十全になされているかどうかについては検討の余地があるように思う。

また,不法行為制度の「目的」には,制裁や抑止という考えは認めがたいにしても,不法行為制度には制裁や抑止といった「機能」があることは否定できないように思われし,さらには,裁判になると損害額が大きくなる可能性があるのであれば,(訴訟が増加してしまう可能性も否定できないが)訴訟を回避して任意の交渉の中で早期に妥当な金額での紛争解決が図られることも期待できるようにも思う。

このようなことからすると,懲罰的損害賠償制度を導入することも不可能ではないんじゃないかぁ,と。
仮に,懲罰的損害賠償制度を導入することが不可能だとしても,裁判をする場合などは,弁護士費用や証拠収集などの費用,労力,時間が必要になるのが通常であり,現状の制度では,真の意味での「不法行為がなかったときの状態に回復させること」は極めて困難であるというのが現実であり,現状の損害賠償の制度は見直した方がいいんじゃないかなぁ,と(詳しくは知りませんが,損害倍額推定制度の導入といった議論もあるらしい)。

具体的にどのような制度がよいのかはもっと検討が必要だとは思いますが,困っている人が,経済的な理由で泣き寝入りしなくても済むように,経済的な面での裁判所利用の容易化についてももっと進んでいってほしいなぁ。

と,最近は,こんなことを考えています。




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