全国発リーガルジャパン弁護士ブログ

精神保健福祉法

Posted : 2012/09/04

札幌の柴田です。

精神保健福祉法は,精神障害者の方に対して,医療や保護,社会復帰や自立のための援助などを行うことを目的とし,これらを実現するための医療・保護・福祉に関する施策を国や地方公共団体に実施することを定めています。

ここでいう「精神障害者」には,精神分裂病(統合失調症),躁うつ病,知的障害などを患っている方が含まれます。

同法では,精神障害者と一定の関係にある者を保護者と定め,精神障害者の監督等の義務を負わせています。保護者の具体例としては,後見人,保佐人、配偶者,親権者、家庭裁判所が選任した選任保護者などがあげられます。

精神障害者に対する医療には,精神障害者の意思に反する強制入院や一定の行動制限を伴うことから,精神障害者の入退院等の判断については,厚生労働大臣が一定の経験を有すると判断して指定した指定医でないとできないとされています。

精神障害者を精神病院へ入院させる方法としては,緊急のものを除くと,任意入院,措置入院,医療保護入院の3つがあります。

任意入院は,本人の同意に基づく入院です。本人が入院しない意思を示した場合には、以下の2つの方法によることになります。

措置入院は,都道府県知事の決定でなされる強制入院で,2人以上の指定医が精神障害者と診断し,かつ,自傷他害のおそれがあると認められることが要件となっています。自傷他害のうち,自傷行為とは自殺など自己の生命・身体を害する程度,他害行為とは,殺人・傷害など他人の生命・身体などを害する程度のものが必要です。

医療保護入院は,指定医が精神障害者と診断し,医療及び保護のために入院が必要であり,かつ,本人が入院に同意できる状態にないと判定された場合に,保護者の同意により,入院させることができるものです。
以上の手続きを経て入院した場合,入院患者は行動を制限されるため,同法は,入院患者の面会,信書授受,電話を原則として制限してはならないと定めています。

以上のように,同法は,精神障害者の保護,治療の目的を達成するために,入院等による行動の自由の制限を一定の要件に基づき認めていますが,精神障害者はその障害の程度が外見には現れないため指定医による病状の適正な判断には困難が伴うことや,入院施設の不足,入院患者に対する処遇、入院施設内でのトラブル等の,運用面での問題については未解決な部分も多く,これを解決することが今後の課題であるといえます。




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