全国発リーガルジャパン弁護士ブログ

解雇について

Posted : 2012/08/08

札幌の柴田です。

使用者(会社)が,従業員との雇用契約を解約することを解雇といいます。

いわゆる「社員をクビにする」というのが,法律上では解雇ということになります。

会社が従業員を解雇するには,30日前の予告(又は30日分以上の賃金の支払い)をした上で,解雇が濫用的なものでないこと(合理的理由があり,かつ社会通念上相当と認められること)が必要となります。

従業員から雇用契約を解約する場合,つまり「会社を辞める」場合には,法律上は2週間前の予告さえすればいいのですが,これと比べて会社から解約する場合には上記のような厳しい制限があるのは,失職により収入の途が絶たれる従業員への打撃の大きさにあるからとされています。

解雇の合理的理由とは,通常は就業規則に解雇事由が列挙されていて,従業員がその事由に当てはまったら合理的理由ありということになります。

解雇事由には,例えば,傷病などで労働能力を喪失した場合,勤務成績が著しく不良である場合,重要な経歴詐称,社内の規律違反,会社の事業縮小による職種の消滅,経営不振による人員整理などがあります。

また,解雇が社会通念上相当と認められる場合とは,従業員が上記の解雇事由のいずれかに当てはまったとして,その解雇事由が解雇しなければならないほど重大な程度に達していて,解雇を回避する他の手段がなく,従業員に酌むべき事情がほとんどない場合,とかなり限定されています。

例えば,勤務成績が他の従業員と比べてかなり劣っているだけでなく,会社が注意や指導などを繰り返しても全く改善の余地が見られず,また改善の意欲もなく、さらに降格したり他の部署へ異動させても十分な仕事ができる見込みがないなどといった場合には,解雇が社会通念上相当と認められる余地はあると思います。

解雇された従業員が裁判所に解雇の無効を訴えた場合,裁判所は以上のような2段階の枠組みで解雇が有効か無効かを判断します。

そして,解雇が無効と判断された場合,解雇された従業員は解雇された時点からずっと従業員であったことになりますので,会社は解雇時点から解雇が無効と判断されるまでの間の賃金を支払わなければならなくなります。

それゆえ,会社が従業員を解雇する場合には,従業員が解雇が無効だと主張してきた場合を想定して,上記の合理性と相当性の要件をみたすかどうか十分に検討する必要があります。

もっとも,上記2つの要件をみたすかどうかは,個々の事件ごとに全く異なりますので,同種の事件の裁判例などを比較検討することが必要となりますが,これにはかなり専門的な知識と能力が要求されますので,やはり弁護士に相談するのが無難だと思います。

従業員1人を辞めさせるのになんでそんなに苦労しなければならないのか,と思われる経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが,雇用は従業員とその家族の生活を支える根底であり,それを最大限守っていこうというのが法の趣旨ですので,すぐ解雇しよう,ではなく,解雇にしないためにどうしたらよいか,をまず検討することも経営者に求められているのではないでしょうか。




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