全国発リーガルジャパン弁護士ブログ

裁判所への本人の出頭

Posted : 2012/07/13

札幌の浦本です。

先日,訴訟になっている事件で和解内容がほぼまとまり,次回期日で和解するという流れになったところ,裁判官から,次回期日には当事者も出頭させるようにして下さい,と言われました。

訴訟になっている事件で訴訟上の和解をする場合,原告や被告本人の出頭を求められる場合もないわけではありませんが,通常,原告や被告本人は出頭せず,原告被告双方の代理人だけが出頭して和解することが多いです。

弁護士の立場からは,和解内容について,本人の意思を確認することは必須ですが,裁判所の立場からすると,代理人である弁護士を通じて本人の意思を確認できれば十分なので,原則として本人を出頭させてまで意思を確認する必要ないと考えているのだと思われます。

これとは反対に,離婚訴訟の場合は,通常,代理人だけではなく本人の出頭を求められることが多いです。
本人が出頭する必要があるということが法律で明確に規定されているわけではないのですが,本などには,身分行為については代理になじまず,和解を成立させるためには本人の出頭が必要である,といったことが書いてあったりします。
ただ,本人の出頭が必須かというと必ずしもそうではないように思われます。

私は,離婚訴訟において,本人は出頭せず代理人だけが出頭して和解したという経験が一度だけあります。電話等によって本人の意思確認をすることすらありませんでした(これは私が弁護士になりたての頃のことで,特に疑問に思いませんでしたが,今にして思えば,かなり特殊な扱いだったと思います)。

特殊だった点としては,1審で離婚を認める判決が出ていた事件の控訴審における和解で,離婚すること自体はほとんど争われてはおらず,お金のことを中心に争っていて,控訴審において判決が出る場合でも離婚が認められる可能性が高かったということです。
 この特殊性から,離婚訴訟であるにも関わらず,本人の意思確認がそれほどは重視されず,代理人である弁護士を本人の使者のような扱いをして本人の意思を確認することで足りると考えたのだと思います。

結局のところ,離婚訴訟における和解では,本人の出頭が重要なわけではなく,本人の意思を確認することが重要なのであって,本人の意思を確認する必要性の度合いに応じて,以下の➀から➂のように許される意思確認のための方法が変わってくるのだと思います(私見)。

➀本人の意思確認が重要であり,原則として本人の出頭が必要。
➁本人の意思確認は重要だが,本人が出頭できないような事情がある場合は,電話等による意思確認でも例外的に可。
➂本人の意思確認をする必要性が高くない特殊な場合は,本人の裁判所への出頭や電話等での意思確認までは求められず,通常の訴訟に おける和解と同様に弁護士による本人の意思確認で足りることもあり得る。




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