全国発リーガルジャパン弁護士ブログ

訴訟

Posted : 2012/07/12

東京事務所の加藤です。

大津市の市立中学校の男子生徒が昨年10月に自殺した件で,自殺の原因がいじめにあったのではないかとして,学校側や警察の事後対応の悪さも相まって連日報道がされております。

本件ではいじめが自殺の原因であることを前提として,学校側がいじめを認識しており,適切に対応していれば自殺を防ぐことができたとして,
遺族側が市に対して損害賠償請求訴訟を提起しており,市からは答弁書が提出されているようです(毎日.jpより)。

上記報道によると,この答弁書には
教師がいじめを目撃していながら対応しなかったことを主張する遺族側に対して
教師の誰がいつどこでどのようないじめを目撃したのか明らかにするべきとの主張がなされており,
このような対応が遺族側の感情を逆なでする結果になってしまっているようです。

確かに訴訟の場では立証責任の問題は避けては通れず,今回のような損害賠償請求訴訟での主張・立証の最終的な責任は原則的には原告にあります。
不法行為として構成するならば,被告により原告の権利が侵害された事実を,
債務不履行行為として構成するならば,原告と市との間の学校進学契約の中に,いじめの存在に気付き,それを辞めさせるよう指導すべき義務が存在し,その義務に違反した事実を
それぞれ立証していく必要があります。
本件においても,いじめの存在に気づいていたか,気づいていればいじめを抑止できたか,いじめを辞めさせれば自殺をしなかったのか
等が争点となっていくように思われます。

その意味で,今回の市側の対応も,一般の弁護士としては通常行うべき対応であったのかもしれません。
もっとも,本件がいじめを苦にした自殺であると考えられ,
男子生徒の命が救われたかもしれないのに学校側の怠慢もあり,いじめを防ぐことができなかったとなれば遺族の感情はいかばかりか想像に難くありません。




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