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府中焼きと違憲判決(政治倫理条例違憲判決)

Posted : 2011/11/02

こんにちは、広島事務所の下宮憲二です。

 府中焼きってご存知ですか?先日、広島城周辺においてフードフェスティバルというイベントが開催されました。主に広島県内の特産品やいわゆるB級グルメを販売するというものでした。あいにくの雨にも関わらず他県からも大勢のお客さんが来ていたようです。私も行ってみたのですが、あまりに多くの店が出ていましたのであれもこれもと目移りしてしまい、気づけばお腹いっぱいになっていました。中でもホルモン焼きうどんはかなりのレベルだったと思います。
 イベントのメインと思われる催しに、てっぱん焼きグランプリなるものがありました。広島県内でのご当地お好み焼きを競うというものらしく、尾道焼き、呉焼き、庄原焼きなど普段耳にしないものもありました。その中でも広島県には府中市という町(大手自動車会社のある府中町とは別の町です)があり、そこのお好み焼きである府中焼きが出品されていました。

 府中焼きは、基本的には広島焼きのように生地の上にキャベツや焼そばなどの具材を重ねて鉄板で焼くものなのですが、豚バラ肉を重ねるのではなく、ミンチを使用しヘラで上から押さえつけるように焼いて平べったくするところが特徴とされています。
 ミンチから出る油で外側がカリカリとなり、外はサクッ中はフワッがいっそう引き立つようになっていると思います。
 私は、祖母が府中市にいましたので、子どものころからよくこの府中焼きを食べていました。と言っても、広島焼きとの区別などしていませんでしたので、広島焼きと別ジャンルとして認識したのは府中焼きがちょっとしたブームとなり、取り沙汰されるようになってからです。
 府中焼きも朝の連ドラで取り上げられれば府中市も尾道のように全国区となるんじゃないかと思っていましたが、このたび府中市に関する違憲判決がでました。

 記事によると、府中市は政治倫理条例の中で、市議の2親等以内の親族が経営する会社は市発注工事の契約を辞退しなければならないとされています。今回は、市議の兄が経営する建設会社が市の道路工事を落札して契約しました。これに対して、議会が市議に対して辞職勧告決議をしたため、違法な条例で名誉を傷つけられたと当該条例の違憲性が争われたようです。
 一審では、当該条例は、市議会運営の公正を保障しているなどと指摘して,憲法違反ではないとしました。
 しかし、控訴審では、憲法で保障される建設会社の経済的活動の自由と議員活動の自由を制限できる合理性や必要性が認められず憲法違反とされたのです。地裁で違憲、高裁で合憲という判断はよく見ますので、高裁で逆転違憲判決が出ることに驚きです。
 憲法では、精神的自由権と経済的自由権が保障されています。精神的自由権を規制するものについては権利の重要性から厳しい基準で審査され、経済的自由権に関しては後で修正が可能なことから前者よりも比較的緩やかな基準で審査されると言われています。
 判決を読んでいないので正確なところは分かりませんが、今回の条例を会社の経済的自由権に関しての規制だとすると議会の裁量を考慮した一審のような判断になると思われますが、条例4条3項の「~議員は、市民に疑惑の念を生じさせないため、責任をもって関係者の辞退届を提出するよう努めなければならない」という規定を重く捉え、議員活動の自由という精神的自由権に関する規制だと捉えると審査基準が厳しくなり控訴審のような結論となるのかなぁと思います。ほんとうは、このような倫理規定を明文化しなければいけない情けない現状に問題があると思うのですが。
 今後、最高裁で判断されれば重要判例のひとつになり特にロースクールなどで活発に議論されることが予想されます。

 府中市が、今回の違憲判決で全国区となるのか府中焼きで全国区となるのかは、最高裁の判断にかかっているのかもしれませんね。
 




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